K-Pop
[文化大賞 この作品]純粋青年ハ・ヒョンサンの時間が痕跡・軌跡となる魔法
(写真=ウェイクワン) [チョン・ドクヒョン大衆文化評論家] まるで砂漠の上に咲いた可愛らしい草花のような感じだ。一見は限りなく弱いようだが、砂漠の上でもしっかり立っているほど硬い音楽の世界。その場で風が吹くたびに揺れ、床に影で様々な線を描いてきたこの草花は、そのように純粋な青年の時間を過ごして痕跡を残すと、もう一つの軌跡を描いている。まさに河現像だ。 昨年8月5~6日、ソウルの漢南洞ブルースクエアマスターカードホールで出会ったハ・ヒョンサンの初コンサート「タイム&トレース」(Time and Trace)はまさにそんな感じだった。どこかアヌルして見えて凄い姿で舞台に上がったハ・ヒョンサンはオープニング後初曲で2021年発表した「花火大会」を歌った。導入部から空に向かって音を打ち上げるような高音で打って出てくるこの曲は、快適なギターストリングとオーケストラのような壮大なサウンドが繰り返され、下現象の世界に観客を引き込んだ。続く曲は今年発売したアルバムの初曲として収録された「メランコリー」(Melancholy)。ハ・ヒョンサン特有の印象的なメロディーラインが特有の飾らない美声と調和した曲だった。ハ・ヒョンサンの曲がほとんどそうであるようにフックに近い繰り返されるメロディが一度聞くと耳元に余韻を残すこの曲はアルバムタイトルでもある今回のコンサートのタイトル「タイム&トレース」を思い出させた。これまでこのシンガーソングライターが歩んできた時間と痕跡を再び取り出してみる時間だ。しかし、曲と曲の間に肝臓が続く観客たちとのコミュニケーションは和気あいあいには至らなかった。何を言うべきか分からず、厄介な静的が流れるたびにハ・ヒョンサンは「こういう時に質問を投げてほしい」と注文した。現場は観客の中で誰かが質問をしたら即座に答えをしてくれる温かい雰囲気が作られた。 =5写真=ウェイクワン) 初めてのコンサートなのか曲をもう少しダイナミックに聞こうとした努力も垣間見せた。毎回曲ごとに似合うギターを変えて聞き、ドラムビートとギターサウンドははるかに強烈になった。ピアノに座って「グッドナイト」(Good Night)のような甘いバラードを歌っても「ハルガ」のような切実なモダンロックサウンドを聞かせたりもした。 「N車」観覧する観客のために途中に設けたカバーステージでは、デリースパイスの「チャウチャウ」、イソラの「トラック9」(Track 9)などを聞かせた。甘美な美性が強烈なサウンドのドラムビットとギターリーフを突き抜けて出てくるのが不思議に感じられる。それはおそらく野性的なサウンドとギザギザをなすあまりにも柔らかい声が生み出す対比的な調和のためと思われる。だから最初はその美星に陥り、ある瞬間爆発的に注ぐ叫びに直面してはびっくりする。 ファンもスターに似ているとか。女性ファンがほぼほとんどの客席はじっくり聴いているように音楽を聴いても終わってから熱狂的な反応を注ぎ出した。まるで純情漫画の主人公を実物で見つめるような彼らの視線には、この純粋な青年がこれまで歩いてきて成長してきた過程が盛り上がった。 カカオテレビ「鼓膜少年団」を通じてボーイズグループ活動をしたりしたが、ハ・ヒョンサンのアイデンティティはやはりシンガーソングライターだ。 2018年デビューし、現在までの短い時間の間、多くのアルバムと曲を注ぎ出した。その時代に生み出された彼の軌跡が、どんな絵を描いていくのか不思議に思われる。一見は限りなく弱いようだが、砂漠の上でもしっかり立っているほど硬い音楽の世界。その場で風が吹くたびに揺れ、床に影で様々な線を